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次回の展覧会
現在の展覧会: 米田知子 「雪解けのあとに」
  2005年9月10日(土)〜10月1日(土)
11:00-19:00 日・月曜日、祝日休廊
Tomoko Yoneda    Lovers, Dunaújváros (formerly Stalin City), Hungary  2004, C-type print
シュウゴアーツでは米田知子の新作展「雪解けのあとに」を開催します。作家は1965年兵庫県明石市生まれ。1989年イリノイ大学シカゴ校芸術学部写真学科卒業、1991年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートを修了後、現在はロンドンを拠点に活動しています。2003年に資生堂ギャラリーにて個展「記憶と不確かさの彼方」展”Beyond Memory and Uncertainty”開催。2004年横浜美術館での「ノンセクト・ラディカル」展に参加。2005年2月には作家の出身地でもある神戸市内の1995年の震災直後と10年後を撮影した「震災から10年」展を芦屋市立美術博物館にて開催。この作品群は9月末から開催される「横浜トリエンナーレ2005」にも出品が決定しており、話題を集めています。
米田の作品は「記憶」と「時間」をテーマに制作されています。初期の”Topographical Analogy”「トポグラフィカル・アナロジー」というシリーズでは、解体されてしまう住居の壁を撮影、はがれかけた壁紙、ヒーターの煤の跡などから、そこにかつて住んでいた人や営まれていた生活の痕跡を見出そうとするものです。”Between Visible and Invisible”「見えるものと見えないものの間」のシリーズは、19〜20世紀に活躍した知識人が使っていた眼鏡を通して、その人の人生における重要な意味を持つ文章を撮影したもの。そして近年の「Scene」のシリーズは、なにげない日常から美しく切り取った風景は、実は歴史上の悲劇の現場であるというもので、現在はこのシリーズが制作の中心になっています。モチーフが無名性から歴史的人物、そして歴史的な場所と移行していく中で、「記憶」と「時間」に対する米田の意識に変化はあるものの、切り取られたイメージには「直接写っていないもの」を題材にしている点で一貫しています。あえて美しく構図をとられた画面からは想像の及ばない、事実の物語が背景にある…このことで、米田はイメージを享受することが記憶をその地点へ置き去りにする、という危険性を示唆するのです。時間は絶え間なく流れ、歴史は書き換えられている事実を常に忘れないことが、記憶を風化させることなく真摯に今を生きることへ繋がるのではないか、と作家は問いかけているのです。
新作は「水」をライトモチーフに近隣の大国の思惑に翻弄されてきた歴史を持つハンガリー、そして「森」をライトモチーフにソ連から独立してまだ10数年のエストニアを撮影したものを発表します。共産主義時代の名残が今だ色濃く残る都市。かつて戦闘が繰り広げられ、ついこの間まで衛兵所として使用されていた半島。異なる政治システムの不要になったイデオロギーの残像を、米田は冷静に美しくフレームに落とし込みます。しかしその視線は熱く、そして秘められています。これらの新作はEUジャパンフェスト日本委員会主催の「Europe Today」プロジェクトの一貫として、写真集シリーズ『In-between』として同時に発売されます。米田知子の新作展を、是非この機会にご高覧頂けましたら幸いです。
 9/11(日)14:00より、当ギャラリーにて作家によるトークショウを予定しております。参加ご希望の方はinfo@shugoarts.com またはお電話03-5542-3468までお問い合わせ下さい。

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